スポーツの舞台裏

聖域にメスも、変われなかった鳥谷…金本阪神1年目の検証〈上〉

 「超変革」をスローガンに掲げた金本阪神の1年目は4年ぶりのBクラスが確定した。キーになる存在が期待を裏切り、苦戦を強いられ続けた結果だ。「目指すことができなかった。主力の不振が一番」。広島の優勝を受け、金本監督は敗因を語った。4番で貢献した福留を除き、ゴメスが打撃不振、西岡はけがで戦線離脱。そして最大の誤算は鳥谷だった。

 昨秋の就任早々、「おまえが変わらないとチームは変わらない」と厳しい言葉を投げた相手。成績アップ、リーダーシップの発揮-。春季キャンプでは、37歳で40本塁打を放った自身になぞらえ、直々に長打力向上に二人三脚で取り組んだ。

 だが、ふたを開ければ極度の打撃不振。原因の一端を関係者は「鳥谷はできあがった選手。そのスタイルを貫けば一定の成績を残すが、新しいスタイルにチャレンジして、バットを強く振ることの弊害が出た」と指摘する。

 遊撃守備でも拙守を連発。「聖域」(他球団スコアラー)と目された連続イニングフル出場は667試合で止まった。その決断は金本監督らしい果断ではあったが、三塁コンバートは今月3日と最後まで尾を引いた。

 主力が牽引(けんいん)しつつ、楽な立場で若手の成長を促す。そんな基本路線は瓦解(がかい)した。遊撃を奪った4年目の北條、指揮官が指名したドラフト1位ルーキーの高山、育成から再びはい上がった原口…。フレッシュな戦力も芽吹いてきたが、息切れもあった。次第に指揮官の口からは「このチームは弱い」「力負けしている」という寂しい言葉が増えていった。

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