毛沢東がスカルノ政権に核技術供与の意向? 研究者の論文が脚光

 中国は64年10月、初めて核実験を行い、アジアで初の核保有国になった。当時のインドネシアのスカルノ大統領はこの面会に先立つ65年7月、「近い将来、自前の核兵器製造に成功する」と宣言している。

 周氏は、こうした経緯などから「65年の前半、中イ間で核技術協力の協議が進められていた可能性がある」とし、「スカルノ大統領は、北京からの支援を確信して核兵器保有への野心の公表を決断したのかもしれない」としている。

 先の毛沢東の発言の数時間後、ジャカルタでは陸軍左派がクーデター未遂を起し、スハルト少将が直ちに鎮圧。中国共産党の支援を受けたインドネシア共産党の陰謀ともされたが、周氏は議事録のやりとりから、「中国が計画の細部まで承知していた黒幕とはいえない」とみる。

 中国政府は2006年から08年にかけ、1956年から65年までの外交文書をデジタルデータで公開。しかし、13年に再び非公開とした。周氏は09年に文書を入手し、その中から議事録を見つけたという。

 インドネシア政治史に詳しい慶応大学の倉沢愛子名誉教授は「当時の中国による対東南アジア政策を伺い知る上で画期的な歴史資料だ」との見方を示している。

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