ミャンマーのスー・チー氏が一転訪中、総選挙にらみ決断 中国は米接近の現政権に警告

 【北京=矢板明夫】ミャンマーの最大野党、国民民主連盟(NLD)党首のアウン・サン・スー・チー氏が10日、中国を公式訪問するため北京に到着した。14日までの滞在中、習近平・中国共産党総書記(国家主席)ら要人と会談する。ミャンマーの民主化に向けて闘争を続けてきたスー・チー氏は、共産党一党独裁の中国を訪問することには消極的だったといわれてきたが、今秋に行われる予定のミャンマー総選挙を有利に進めたい思惑から決断したとみられる。一方、中国はNLDと関係を構築することで、米国に接近するテイン・セイン政権を牽制(けんせい)する狙いがあるようだ。

 スー・チー氏は2010年、軍事政権による自宅軟禁から解放されて以降、欧米や日本などの民主主義国家を中心に訪問し、ミャンマー民主化の完全実現を訴えて続けた。訪問先では軍事政権を支援してきた中国を厳しく批判することが多く、中国企業がミャンマーで進めるダム建設事業などに反対したこともあった。また、中国側から何度も訪中要請を受けたが、これまで先送りにしていた。

 しかし、今秋に予定される総選挙でNLDの優勢が伝えられると、スー・チー氏は中国批判を控えるようになっている。ミャンマーに対し最も大きな影響力を持つ中国と対立すれば、経済界の支持が得られないと判断したとみられる。今回の訪中では、中国との関係改善を内外にアピールする狙いがありそうだ。

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