京のこだわり「伝統は法律より厳しい」八ツ橋創業年訴訟は続く

 京銘菓「八ツ橋」の老舗「聖護院八ッ橋総本店」が掲げる創業年は間違っている-。別の老舗「井筒八ッ橋本舗」がこう訴え、創業年の表示差し止めを求めた訴訟で、京都地裁は6月、原告の訴えを棄却した。注目されたのは「歴史の古さが消費者の行動を左右する事情とはいえない」とする判断。井筒側は「創立の年月日は重要な信頼の根拠」「この問題は、京都の人にしか分からない」として控訴した。背景には古都ならではの価値観があるようだ。(井上裕貴)

堅い歯応えにニッキの香り

 今や京都土産の定番となった八ツ橋。米粉に砂糖やニッキなどを加えて練った生地を焼いた「堅焼き煎餅」と、戦後に製造が始まった生地を焼かない「生八ツ橋」があり、平成30年の京都市の調査では観光客の4割がいずれかを購入しているという。

 今回訴訟の対象となった八ツ橋は、長方形の中心にアーチ状の丸みがついた堅焼き煎餅タイプだ。聖護院側は「米粉と砂糖と水のみで仕上がった生地ににっきを漂わせ、琴の形に焼き上げた」、井筒側も「パリッとした食感と、たちまち広がるニッキの香り」と、それぞれホームページでPRしている。

起源の有力説は2つ

 訴訟は、聖護院側が創業を元禄2(1689)年と表示しているのは事実と異なるとして、井筒側が表示の差し止めを求めた、というものだ。

 創業年のポイントとなるのは八ツ橋の起源。ただ、これには諸説あり、有力なのは「検校(けんぎょう)説」と「三河説」の2つとされる。

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