「信号機のない横断歩道では歩行者優先」。道路交通法でこう定められているにもかかわらず、歩行者が渡ろうとしている横断歩道で一時停止する車の割合が、全国平均で8・6%にとどまることが日本自動車連盟(JAF)の調査で分かった。車対歩行者の死亡事故のうち横断中の発生は7割に上り、警察当局は停止を怠る「歩行者妨害」の車の摘発を強化している。そんななか、大阪府警が車道をカラー塗装する試みを始めたところ、一時停止率がアップし、事故防止につながると注目されている。(猿渡友希)
「通り過ぎれば渡れる」
JAFが今年8~9月、全国の信号機のない横断歩道計94カ所で行った調査によると、歩行者がいるときに一時停止した車の割合は平均で8・6%。栃木県の0・9%を最低に33都道府県が10%を下回った。別に実施した調査では「後続車がいないので自車が通り過ぎれば歩行者が渡れる」などと考えるドライバーが多かったという。
警察庁によると、平成25~29年までの5年間に発生した車と歩行者の死亡事故は、全国で6576件。うち歩行者の道路横断中は約7割を占めた。信号のない横断歩道を渡っているときの事故は472件で、ドライバーの減速が不十分なことによる事故が多かった。
こうした事態を受け警察当局は「歩行者妨害」の取り締まりを強化。29年の全国の摘発数は14万5292件で、前年から約3万4千件増えた。ただ、歩行者妨害に起因した事故は後を絶たず、警察庁は22日から28日まで、横断歩道での歩行者優先を徹底させるため、初めて全国一斉の広報・指導強化に乗り出した。
以前は恐怖感も
「歩行者優先」をどうやって徹底するか。車道への工夫で効果を上げているのが、一時停止率4%だった大阪府で今年から始まった取り組みだ。
11月上旬、大阪府守口市の信号機のない市道交差点。子供たちが渡ろうとしている横断歩道の横には、赤のしま模様の塗装が施されている。塗装には厚みがあり、通過中に揺れを感じたドライバーは停止し、子供の横断を待ってからゆっくりと走り出した。




