兵庫県立はりま姫路総合医療センター(はり姫)が救急車型ドクターカーの導入に向けて実施していたクラウドファンディング(CF)が4500万円の目標額を達成し、来年度中に車両が導入される見込みとなった。県財政が厳しさを増す中、民間資金を活用して地域住民の命を守る機材の導入にこぎつけた形だ。
はり姫は姫路市や相生市、宍粟市などの播磨姫路医療圏で唯一、救命救急センターを持ち、年間約1万件の救急患者を受け入れてきた。
ドクターカーは医師と看護師が乗り込み、患者のいる現場に駆けつけて治療を行う「病院前医療」の手段の一つで、中山間部を持つ同医療圏では、ドクターヘリとともに重要な役割を担ってきた。一方、現在のスポーツ用多目的車(SUV)型のドクターカーは10年以上の使用で老朽化し、スペースが狭いため患者は乗せられず、持ち込める医療資機材も限られるなどの課題があった。
新たに導入されるドクターカーは救急車型。積み込める医療資機材が増え、患者を病院に搬送しながら治療を続けることができる。車体が大きくなることで周囲から緊急車両であることが分かりやすくなるメリットもあるという。
9月1日から開始し、車体購入に必要な2000万円の目標は開始約1週間で達成。車両に積み込む医療資機材の購入費などを加えた第2目標の4500万円も今月1日に到達した。30日までCFサイト「READYFOR(レディーフォー)」で受け付けている。
病院によると、CFを開始した理由には、財政の厳しさに加え、県のドクターヘリが整備士不足で運休するなど運航に不安定さが生じたこともあったという。救命救急センター副センター長の水田宜良医師は「予想を上回る多くの支援をいただき、思いに応える責任を感じている。一人でも多くの命を救い、地域の救急医療を支えていきたい」と話した。




