令和12年度から正式な教科書となるデジタル教科書について、文部科学省は22日、全ての学年で紙とデジタルを組み合わせた「ハイブリッド形式」を基本とする方針を明らかにした。22日に開催した有識者会議に「大臣指針案」として示した。「完全デジタル」の教科書は小学5年生以上の一部の教科に限定する。
大臣指針案では、紙とデジタルのハイブリッド形式が「中心的な役割を担う」とした上で、主要教科ではデジタルを「補助的・補完的に組み込む」と明記した。
完全デジタルの教科書は、認知機能が発達途上にあるなどの理由から小学4年以下には認めない。小学5年以上でも、英語のほか、音楽や美術といった実技系教科の一部に限定する。
紙とデジタルの比率についても触れた。完全デジタルを認めない国語や数学などの教科は「主に紙で構成」し、デジタルは学習内容を理解するための補助的・補完的な存在と位置付けた。小学4年以下は紙の比率をより高める「おおむね紙」とし、デジタル部分はより限定した。一方、完全デジタルを認める教科では、ハイブリッド形式の場合に主にデジタルで構成することもあり得るとの考えを示した。
また、手書きの重要性も強調。デジタル教科書によって子供の理解度を高めたうえで「ノートなどに手書きでまとめる活動を通して学習内容の定着を図る」としている。
デジタル教科書を正式な教科書とする改正学校教育法は6月に成立した。教科書は「紙のみ」「紙とデジタルのハイブリッド」「デジタルのみ」の3つの方式となり、教科書を採択する教育委員会や国私立学校長らの選択肢が広がる。
「大臣指針」は教科書採択の際の判断の目安として策定され、教科書会社もこれに基づいて制作する。
22日の有識者会議は、文科省が提示した大臣指針案をおおむね同意した。今後、若干の修正を経たうえで文科相に提出。これをベースに大臣指針を年内にも決定する。デジタル教科書は、次期学習指導要領が全面実施される令和12年度以降に正式に導入される予定だ。




