高気圧の影響で気温が上昇し、猛烈な暑さが続く中、熱中症対策としてあらかじめ体内を冷やしておく「プレクーリング」が注目されている。氷菓「ガリガリ君」で知られる赤城乳業(埼玉県深谷市)は、ガリガリ君を活用した「プレクーリング」実験を行い、運動前にガリガリ君を食べた人の約6割が「体温が上がりにくくなったと実感した」という調査結果を発表した。同社は「おでかけ前に、ガリッ!」を合言葉に、新たな夏の習慣として提案している。
プレクーリングとは暑い環境に入る前に体温を下げておくことで、その後の体温上昇を緩やかにし、発汗量の抑制や暑熱ストレスの軽減につなげる方法。スポーツ現場などで暑熱対策として活用されている。同社は今年5月から「ガリガリ君でプレクーリング!」プロモーションを展開、家庭でも手軽に実践できる熱中症対策として、外出する前に氷菓を食べることを呼びかけてきた。
実験は今年4月に20~59歳の男女61人を対象に実施。気温30度の室内で10分間のウオーキングを行い、ガリガリ君1本を食べた場合と食べなかった場合とを比較した。参加者へのアンケートの結果、「体温が上がりにくくなった」と回答した人は59.0%に達した。
2021年の東京五輪で陸上中長距離の暑熱対策も担当した大阪公立大学都市健康・スポーツ研究センターの岡﨑和伸教授は「プレクーリングの有効性はスポーツ界では古くから知られており、運動の前に体の外側、内側から冷却して体温を下げることで低い体温を持続させることができる」と解説。そのうえで「氷菓の場合は、体内で氷が解ける過程で熱を奪うため、液体よりも効率的に体を冷やす効果が期待できる。また、粒状の細かな氷を含む氷菓は氷の粒子が消化器官まで届きやすく、体の内側から深部体温の低下につながりやすい」とガリガリ君によるプレクーリングの効果について説明する。
一方、同社の調査では外出前に暑さ対策を必ず行う人は31.1%にとどまり、運動前に体を冷やす人は4.9%、プレクーリングという言葉の認知度も9.8%にとどまるなど、予防的な暑さ対策はまだ十分に浸透していないことも明らかになった。
昭和56年のガリガリ君発売から45年。暑くなってから食べられることが多かったが、同社は「ちょっとだけフライングして食べてみるのもおすすめです」としている。(中野謙二)






