「いかがなものか」高市首相が立民・蓮舫氏に苦言 皇室典範改正巡り麻生太郎氏を挙げ質問

参院予算委員会で質問する立憲民主党の蓮舫氏(右)。左は高市早苗首相=7月17日午後、国会内(春名中撮影)

高市早苗首相は17日の参院予算委員会で、立憲民主党の蓮舫氏らとの論戦に臨んだ。旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎えることを可能にする皇室典範の改正を巡り、蓮舫氏は自民党の麻生太郎副総裁の妹で三笠宮寬仁親王妃家の当主である寬仁親王妃信子さまが養親の対象となることを踏まえ、麻生氏の議論への参加を「政治利用」と絡めて質問した。首相は「いかがなものか」と苦言を呈した。

質問の冒頭、蓮舫氏は「国会への出席は嫌か」と尋ねた。首相が国会で野党の質問に答える機会が少ないとの考えが背景にある。首相は「嫌ではない」と即答した。「国会の運営は国会で決めることだ。国会から呼ばれたらこうして来て、答弁書にも自分でしっかりペンを入れながら誠実に答弁している」と強調した。

首相「国会に出たくないと言ったことはない」

これに対し蓮舫氏は「野党は自民党に相当強く(求めている)、自民党も首相官邸に対して出席要請を繰り返しているが全く実現しなかった」と主張。17日になっても審議未了の法案があるとして「ここまで審議が遅れたのは、首相が国会にあまり来たくないことに起因していると思っている」と決めつけた。日本維新の会が求めている「副首都構想」を実現する法案に言及し、「自分は国会にあまり出たくない、でも維新の求める議員立法は会期延長してでも通そうとする。それはあまりにもご都合主義だ」と批判した。

首相は「私は呼ばれたら(国会に)来て誠実に答弁しているし、出たくないとか出ないとか言ったことはない」と蓮舫氏の発言を否定した。

蓮舫氏は次に皇室典範改正に話題を移した。

蓮舫氏は「本来急ぐべきは、皇族数減少にもつながっている男系男子へのこだわりではなく、長子優先、女性天皇実現も可能とする議論ではないか」と持論を語った。首相は「皇室典範は皇統に属する男系男子がこれを継承すると定めている」と説明した。

女性天皇実現を主張する蓮舫氏はさらに、政府案に関して「安定性、伝統、国民の理解と支持、それがどうクリアしたのか」「日経、朝日、読売など全国紙が社説で養子、あるいは政府の姿勢を大変厳しく批判している。他方で旧統一協会の機関誌の『世界日報』、自民党の支援団体である日本会議は旧宮家の皇籍復帰を歓迎。大手メディアの論調より世界日報や日本会議の方が国民の理解と支持に近いのか」などと語った。

首相は「さまざまな報道がなされているのは承知しているが、報道機関などの考えについて所感を言うのは控える」と述べた。政府案について「衆参正副議長から取りまとめに沿ったものと判断して了承をいただいた。今後も多くの皆さまに内容を丁寧に説明してご理解いただけるようにしっかりと努めていく」と語った。蓮舫氏は「メディアの論調を見ると、養子案は賛否が拮抗している。天皇制に関してだけは国論を二分してはだめではないか。今からでも養子案は撤回すべきではないか」と求めた。

続けて蓮舫氏は、衆参両院の全体会議における自民党の代表者の一人が麻生氏だったことを問題視した。「養子選びで時の政権の恣意が及ぶことがないようにとの意味でも養子は禁止されてきた。自身の妹が養親になれる新たな仕組みを導入、決定する場に兄の麻生さんの代表出席は適切だったのか」とただした。

首相は「適切かどうか、首相の立場で言うことにはならない。適切に選ばれたんだろうと思う。また、信子殿下との関係をことさらに取り上げられるというのはいかがなものかと思う。養親になれないのは、天皇陛下ご夫妻、上皇陛下ご夫妻、皇嗣殿下ご夫妻だ。それ以外の皇族は養親になれる。信子殿下も例外ではない」と苦言を呈した。

蓮舫氏「野党第一党が反対しても国民の総意か」

これに対し蓮舫氏は「いかがなものかという声、そのままお返しする。自民党総裁として、適切かどうか、政治利用が疑われないように細心の注意を払う立場の人として、今の答弁は納得できない」と反発した。

さらに、皇室典範を巡る国会の審議時間が短かったとして、「わずか数時間で象徴天皇制の根幹を揺るがせるものを通すのはおかしい。自民党は2600年続いた皇室の男系男子の伝統と言うが、それは神話も含めたものなのか、本当に適切なのか、歴史学者や研究者に質疑を行う、改正が正しいのか国会で見える形で時間をとって審議をすることこそが国民の総意をまとめるものだ。立憲民主党は参院野党第一党だ。それが反対しても国民の総意か」と追及した。

首相は「全国民の代表として位置づけられる国会議員が知恵を出し合い、とても短時間というが、9年がかりの作業だった。有識者会議の議論も経て、国会における議論、正副議長のもとでの議論も約2年間かかっている」と説明した。(沢田大典)

蓮舫氏敗北、立民都連に広がった「刷新」要求

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