千葉市動物公園(千葉市若葉区)が、ニシゴリラの繁殖に挑戦している。雄の「モンタ」(41歳)と、雌の「モモカ」(13歳)の年の差28歳ペア。ストレスがかからないような飼育環境の整備に取り組みつつ、2頭が一緒に過ごす時間を徐々に増やし、関係性も深まってきた。海外では40代後半の雄が繁殖に成功した事例もあるといい、新たな命の誕生に期待がかかる。
同園では、雌の「ローラ」(当時47歳)が昨年5月に肺水腫で死亡。モンタ1頭のみの飼育となっていたが、昨年10月、上野動物園(東京都)からモモカを借り受けた。
同園によると、モンタは神経質な性格で、ほかの個体と交わる機会が少なかったため、警戒心が強め。モモカは群れでの生活に慣れているため、面倒見がよく、コミュニケーション能力が高いという。
ニシゴリラは繊細な一面もあり、繁殖を目的に同じ空間で一緒に過ごす「ペアリング」は極めて慎重に進める必要がある。国内外の動物園では、雄が雌を攻撃してけがをさせるケースも頻繁に起きている。
モンタとモモカは園内で別々に生活しつつ、鉄格子を隔てての顔合わせを重ね、今年4月以降、休園日にペアリングを複数回実施してきた。
同園でニシゴリラの飼育を担当する副園長補佐の水上恭男さんは「以前はモンタがモモカの背中をたたくような場面もあったが、今は威嚇行動をとらなくなり、距離は確実に縮まっている」と順調ぶりを強調する。
今月21日には、ペアリングの様子を初めて一般公開。2頭を隔てる扉が開くと、モモカがモンタに近づき、チラチラと視線を向けたり、一定の距離を保ちつつ互いが見つめ合ったりする様子がみられた。
できるだけ野生に近い環境で飼育するため、展示エリアの整備にも力を入れる。ケヤキやキウイ、ショウガなどを植えてリラックスできる環境を整え、動物本来の行動を引き出し、繁殖にもつなげたい考えだ。
ゴリラは本来群れで生活する動物。水上さんは「動物福祉の観点からも一緒に過ごすことがベスト。2頭の距離感などを見極めながら、ペアリングを続けていく。繁殖に至らないとしても、常時同じ空間で過ごせるようになれば」と話した。(松崎翼)






