学校での保護者対応を巡って教職員が心身に支障をきたすケースが相次いでいる。保護者からの過剰な要望はカスタマーハラスメント(カスハラ)の一環とされ対策も進むが、カスハラの基準が明確にされていないケースが多く、現場で判断や対応が困難になっている。堺市立中学校では、謝罪などを要求する保護者の意に沿うよう市教委から繰り返し強要された校長が鬱病などを発症し訴訟に発展。教育現場を守るための実効性のあるルールや制度づくりが求められている。
学校現場と教育委員会で食い違い
カスハラを巡っては、昨年6月公布の改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)で、事業者に対しカスハラ対策を義務化。悪質なクレームに対し方針の明確化や相談体制の整備などを求めている。
ただ、教育現場では保護者の要求がカスハラにあたるか否かの判断が難しく、学校現場と教育委員会で対応方針に食い違いが出ることもある。
堺市の訴訟ではこの点が根底にあり、市教委の対応がパワハラに当たるとして校長が市に慰謝料など330万円の損害賠償を求めて大阪地裁堺支部に提訴。19日に第1回口頭弁論が行われる。
訴状などによると、堺市立中学校で令和6年7月、複数の生徒が無断で学校敷地から外出し、敷地外で遭遇した教諭が生徒に対し注意指導を行った。これに対し生徒の保護者が「一般人がいるところでの指導は不適切」などと主張。対応した教諭は子供の担任で部活顧問だったことから解任や懲戒処分などを求めた。

