衆院選の終盤戦を迎え、有権者約42万人の千葉13区(我孫子市、印西市など)は、三つどもえの舌戦が熱を帯びる。新党「中道改革連合」の浸透を急ぐ宮川伸氏(55)と現職閣僚として臨む自民党の松本尚氏(63)による前職2人の3度目の対決に、昨年の参院選で躍進した参政党新人、中谷めぐ氏(44)が再び挑む。
「大臣に負けている。残りの数日間、懸命に戦い、なんとしても平和を守りたい」。4日夕、京成電鉄などが乗り入れる新鎌ケ谷駅(鎌ケ谷市)で、宮川氏は各種報道機関の情勢調査を念頭に、劣勢をはね返す決意を示した。自然とマイクを握りしめる手にも力が入る。隣には、応援に入った中道の野田佳彦共同代表と岡本三成共同政調会長が見守る。
メークドラマ、メークミラクル
演説は非核三原則の堅持など平和を訴え、「国民の命を守る政治」の実現に触れるのが定番。立憲民主党とともに中道を結成し、「平和の党」を掲げる公明党を意識しているのは明らかだ。野田氏は演説で「鎌ケ谷からメークドラマ、メークミラクルを起こそう」と反転攻勢を誓い、拍手が起きた。
約2万票とされる13区の公明票。陣営は宮川氏に回るのは「半分程度」と見積もるが、苦戦が伝えられるだけに、公明の支持母体・創価学会による最終盤の追い込みで上振れを期待する。一方、公明への抵抗感を抱く立民支持のリベラル層も少なくない。離反を最小限に抑えなければ、公明票が相殺される可能性があり、陣営はバランスに腐心する。
前面に高市人気
宮川氏の陣営が最も警戒するのは、無党派層に広がる高市早苗首相の人気だ。自民は「高市政権選択選挙」と位置づけ、県内でも空中戦で攻勢をかける。
高市人気を前面に押し出すのは松本氏。昨年の自民総裁選で首相の推薦人に名を連ね、2期目でデジタル相に抜擢(ばってき)された「高市ファミリー」の一人だ。
1日、我孫子市内の集会。聴衆を前に「高市政権になって少し明るくなったと思いませんか?」と期待感をくすぐり、こう呼びかけた。「松本が勝てば高市政権は続く。2人でタッグを組んで若者が夢を持てる日本をつくりたい」
情勢調査では松本氏がリードしていると伝わる。ただ、対抗馬に回るとみられる公明票と、参政から自民に回帰するとみられる保守票の得失が見通せない。陣営幹部は「差し引きゼロなら接戦」とみるが、頼みの綱は高市人気。「『高市、高市』と連呼しなければ勝負にならない」。別の陣営幹部はこう力説し、投票率アップに期待する。
「第三の選択肢」として
前回衆院選、昨年の参院選に続く国政挑戦3度目の中谷氏は、自民や中道でもない「第三の選択肢」(神谷宗幣代表)として浸透を図る。
2日昼、地元のJR我孫子駅近くでマイクを握り、「行き過ぎた移民の受け入れに制限をかけたい」「選挙のときだけのきれいな言葉にだまされないでほしい」と切り込む。
参院選千葉選挙区では約40万票を獲得し、次点に終わったが、13区では約3万5千票を獲得して自民候補の得票を上回り、参政の躍進を印象付けた。一定の存在感を示した中谷氏自身も子育て世代の一人として、手応えを感じている。前回衆院選でビラを受け取ってくれなかった子育て世代の応援が「圧倒的に増えた」という。
「普通の主婦の私がなぜ声を上げるのか」と街頭で問いかけ、政治への無関心層に訴えかける。
「他人任せの政治は終わりにしよう」
(岡田浩明)
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千葉13区の立候補者は、届け出順に宮川伸氏(中道)、松本尚氏(自民)、中谷めぐ氏(参政)の3人。





