埼玉県入間市は、整備予定の狭山台地区近隣公園にスーパーマーケットなどが入る商業施設を建てる官民連携プロジェクトを進めている。「近隣にスーパーマーケットがない」との住民の声を受け、公園用地を活用することになった。市の財政も厳しい中で整備を進めるために「パークPFI(公募設置管理制度)」と「立体都市公園制度」という2制度を一度に活用し、商業施設の屋上部分も公園とする方式を採用した。
屋上でスポーツイベントも
狭山台地区近隣公園の敷地面積は約2万1500平方メートル。現在の計画では敷地内に、床面積約5千平方メートルの1階建て商業施設を建設し、スーパー、ドラッグストア、100円ショップが入る。施設屋上がスポーツイベントができる公園となるほか、商業施設に隣接する形で、遊具やバスケットゴールなどを備えた約1万2千平方メートルの公園も併設される。残りは主に駐車場として使う。
市は平成28年度、公園整備を決めたが、財政難で事業化されてこなかった。近隣にあった大型スーパーが令和4年に撤退し、半径2キロ圏内にスーパーがない事態となり、スーパーが建つ公園整備に動き出した。
この計画を進める上で、2制度が肝となる。財政上の課題の解決策がパークPFI制度で、民間事業者が公園内に飲食店などの収益施設を設置・運営し、その収益を公園全体の整備や維持管理に充てることができる。一方、市都市計画課によると、同制度では公園内の収益施設の面積は制限されるが、公園を立体的に整備する立体都市公園制度を活用して施設の屋上を公園にすることで、制限がなくなるという。
市は今回、公園整備にかかる費用の上限を4億8843万5千円に設定し、それ以上を民間企業が負担する条件で、公園の計画、設計、施工などを行う事業者を募集。10月末に大和リースを主体とする「入間狭山台つながりパートナーズ」を選定した。構成団体は、関東でスーパーマーケットを展開するベルクと、市内企業のケーワン。令和8年1月から工事を始める。
年間来客数は約120万人想定
令和10年3月にオープンする予定で、商業施設への年間の来客数は約120万人を想定している。公園の名称は、命名権(ネーミングライツ)によって決めるとしている。市内に住むパート女性(60)は「近くに憩いの場ができるのは楽しみ」と話していた。
立体都市公園制度の活用例は東京都渋谷区の宮下公園、パークPFI制度活用例は大阪市の天王寺公園エントランスエリア、福岡市の大濠公園などがある。市都市計画課によると、2制度を活用するのは、大分県別府市の春木川パークに次いで全国で2例目という。(飯田耕司)





