自民党は27日、衆院憲法審査会の幹事懇談会で、連立政権合意書に盛り込んだ改憲条文起草委員会の憲法審への常設を提案した。連立を組む日本維新の会が同調したが、立憲民主党と共産党、れいわ新選組が反対した。改憲を目指す勢力が衆院で発議に必要な3分の2を割る中、自民と維新は次期衆院選での改憲勢力の躍進に期待し、両党の条文起草協議会で粛々と準備を進めるとみられる。
条文起草委の常設は、自民の船田元氏が提案した。協議テーマは、改憲に前向きな各党が必要性を共有している緊急時の国会議員任期延長を含む緊急事態条項に加え、立民が重視する内閣による衆院解散の制約などを想定している。
与党が目指す9条改正を除外した理由について、船田氏は記者団に「憲法審で具体的に議論していないので外した」と説明した。
ただ、自民の提案に立民は「時期尚早だ」と応じず、共産とれいわも歩調を合わせた。立民の山花郁夫氏は「起草委は幅広の合意があってつくるものだ」と主張。国民民主党と公明党は意見を表明しなかった。
船田氏は起草委の設置時期に関して記者団に「今国会中とは考えていないが、できるだけ早く何らかの決断を得たい」と語った。だが、憲法審の武正公一会長(立民)は提案を「聞きおく」と述べるにとどまり、実現は見通せていない。
一方、自民と維新は27日、両党で立ち上げた条文起草協議会の2回目の会合を開き、維新が9月に発表した提言「21世紀の国防構想と憲法改正」について意見交換した。
起草協議会は憲法審とは一線を画し、9条改正や緊急事態条項新設について両党の見解をすり合わせる場となる。関係者は「次の衆院選で改憲勢力が『3分の2』を奪還することを見据え、条文起草に備えている節もある」との見方を示した。
(内藤慎二)




