アサヒグループホールディングス(HD)が出荷停止を余儀なくされたサイバー攻撃で、ロシア系のハッカー集団「Qilin」(キーリン)が8日までに犯行声明を出した。古代中国の伝説に登場する想像上の動物「麒麟(キリン)」にちなむ名前といわれている。被害企業は北米を中心に中国や韓国などアジアにも拡大している。
キーリンは、ロシアに拠点を置き、2022年ごろから活動しているとされる。「チーリン」と呼ばれることもある。
コンピュータウイルスのランサムウェアを使って攻撃対象のデータを抜き取り暗号化したうえで、元に戻す対価として身代金を要求するだけでなく、盗んだ情報を公開すると脅す「二重脅迫型」の手口を常套手段とすることで知られている。
アサヒグループHDは、9月29日にサイバー攻撃を受け、システム障害が発生した。受注・発注作業が止まり、多くの工場で生産停止に追い込まれた。情報漏洩の可能性もあると公表している。
犯行声明は、アサヒグループの内部文書とする29枚の画像をウェブサイトで公開。約27ギガバイトのデータに相当する9300以上のファイルを盗んだと主張している。
被害に遭ったと報じられている主な外国企業・団体は次のとおり。
<米国>
▷ Inotiv
インディアナ州に本社を置く製薬研究会社。主要システムの暗号化被害、約16万2000件のファイル盗難。
<英国>
▷ Synnovis
診断サービスプロバイダー。病院データの盗難・公開で、患者死亡の一因となった指摘も。
<中国>
▷ Yanfeng(延鋒)
自動車部品サプライヤー。北米工場で生産が中断した。
<韓国>
▷ Welcome Financial Group(ウェルカム金融グループ)
金融サービス業。1テラバイトを超える社内データ盗難。




