21日に開かれるガソリン税の暫定税率廃止に向けた与野党の実務者協議は、代替財源が焦点になる。年1兆円規模とされる税収減を補うため、与党が恒久財源の必要性を訴える一方、野党は政策の見直しや税収の上振れなどで賄えると主張し、食い違いが際立つ。物価高の直撃を受ける国民生活の支援と財源確保をいかに両立させるかが与野党双方に問われる。
玉木氏「速やかに減税を」
「参院選の結果を踏まえれば、速やかに減税すべきだ」
国民民主党の玉木雄一郎代表は19日の記者会見で、暫定税率廃止は民意に沿うとの考えを強調した。
暫定税率を巡っては昨年12月に自民、公明、国民民主の3党が廃止で合意した。与党が10月の衆院選で過半数を失い、野党を取り込むために受け入れた面があった。だが、自公国の協議は2月に事実上決裂した。
当初から政府・与党が懸念していたのが代替財源だ。暫定税率の廃止で、国・地方合わせて年1兆円、軽油引取税を含めると1・5兆円程度の減収が見込まれる。
その後、日本維新の会も与党と協議したが、折り合わなかった。先の通常国会では、立憲民主党なども含む野党7党が廃止法案を共同提出し、衆院で可決されたが、参院は与党が過半数を占めていたため、廃案となった。
自治体から税収減危ぶむ声も
だが、与党は7月の参院選でも過半数割れし、態度を軟化。与野党は暫定税率廃止を「今年中のできるだけ早い時期に実施する」ことで合意した。野党は8月の臨時国会に暫定税率を11月1日から廃止する法案を提出しており、秋の臨時国会での法案成立を目指す。
もっとも、財源の問題は残ったままだ。自民の宮沢洋一税制調査会長は今月6日に行った与野党協議の後、「恒久的な財源が確保されるかどうかが大事だ」と記者団に述べ、財源を曖昧にしたままの廃止を牽制(けんせい)した。地方自治体からも税収減を懸念する声が上がる。
野党は強気だ。特に、議論を主導してきた国民民主の玉木氏は、今年度分に関しては参院選で自民が公約に掲げた1人一律2万円の現金給付を挙げ、「2万円をばらまくお金があれば十分財源は出てくる」と指摘。さらに、来年度以降の国・地方の財政の健全性を示す基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化見通しを踏まえ、「黒字化分は物価高騰で困っている人に減税でお返しすべきだ」と訴えた。(永原慎吾)





