韓国の独立活動家、尹奉吉(ユン・ポンギル)をたたえる追悼記念館の開設が金沢市で計画されている。複数の韓国メディアが報じた。尹奉吉は日本が統治していた上海で、1932年に手榴弾(しゅりゅうだん)を投げて日本軍の首脳らを死傷させたテロを起こし、金沢市で死刑となった人物だ。右翼団体が反発し、在日本大韓民国民団(民団)石川県地方本部の建物に車が突っ込むという事件も起きた。
「業績」をたたえる
聯合ニュースによると、追悼記念館は尹奉吉の「業績」をたたえる目的で4月29日に開設されるという。韓国の公共放送KBSの元客員研究員が主導し、在日韓国人の協力を得て、金沢市中心部の3階建て建物を購入した。尹奉吉の資料を展示する記念館にするという。
尹奉吉は韓国で伊藤博文元首相を殺害した安重根(アン・ジュングン)に次ぐ英雄とされる。
1932(昭和7)年4月29日、上海・虹口公園(現・魯迅公園)で行われた式典に侵入、爆弾を投擲(とうてき)して白川義則陸軍大将ら2人を殺害。重光葵駐支公使(後に外相)も右足切断の重傷を負うなど多数が死傷した。
「感情的に受け入れられない」
記念館はテロ行為を賛美する内容とみられ、政界関係者も一部で注視する。
政治団体「NHKから国民を守る党」の浜田聡参院議員は7日の記者会見で、開設計画について「やはり日本国内で日本人を殺したテロリストを追悼するような記念館ができるのは感情的に受け入れられるものではない」と語った。
浜田氏は「一方でこれが何らかの法律に反するのかどうかが重要だ」と指摘し、違法性の有無について政府の見解をただす質問主意書を提出したと明らかにした。
「抗議は法律に即して」
地元では開設中止を求める街宣活動が展開されている。今月2日午前9時過ぎには軽自動車が民団の地方本部の壁に突っ込む事件も発生した。開設計画に反発する右翼団体のメンバーによる犯行とされる。当時、建物は無人だったという。
浜田氏は会見で「法律にのっとって抗議してほしい。犯罪行為を犯してしまうと相手の思うつぼだと思う」と語った。
民団は平成4年、金沢市の野田山墓地で尹奉吉義士殉国記念碑を設置した。駐新潟韓国総領事らが追悼式を重ねている。(奥原慎平)





