不安定さ残る「部分連合」 難しい政権運営続く自民 国民との協議を本格化

国民民主党の玉木雄一郎代表(左)にあいさつ回りをする石破茂首相=1日午後3時23分、国会

自民党は31日、衆院選で少数与党となったことを受けて、国民民主党との「部分(パーシャル)連合」に向けた協議を本格化させた。ただ、部分連合は政策ごとに野党が政府・与党に協力する連携のため、政権運営の不安定さは残る。国民民主にとって自らの政策を実現させる機会は増えるが、国家統治に関与する責任の重みが増す。掲げた政策の実現性が、これまでよりも一層問われることになる。

連合政権、最も安定は「閣内協力」

連合政権のあり方は、今回のような「部分連合」に加え「閣内協力(連立)」と「閣外協力」がある。日本政治に詳しい中央大学の中北浩爾教授の著書「自公政権とは何か」(ちくま新書)によると、閣内協力や閣外協力は部分連合と違い、複数の政党が常に協力し、政権を支える。

各党が閣僚を送り出し、政権運営でも連携するのが閣内協力だ。法案や予算案の議決など国会運営に加え、政権内部でも協力するため、最も安定した連合政権のかたちといえる。現在の自公政権もこの形式にあたる。ただ、政党間の協力関係の維持を優先するために政策面での調整で妥協を強いられるケースもある。

閣外協力は閣僚を送り込まず、首相指名選挙での投票や内閣不信任案決議なども含めて国会運営に協力する。日本では第2次大平正芳内閣(昭和54年11月~55年6月)での自民と新自由クラブの関係などが、例として挙げられる。政党間で政策協議の場を設けて法案の事前審査を行い、法案採決で恒常的に協力する場合もある。

困難な立ち回り求められる自公政権

一般的に閣僚を送り出す閣内協力を避け、閣外協力や部分連合にとどめるのは、選挙などを考慮し、各党の自由裁量を確保しつつ政策実現を図るためだ。しかし、その分、連合政権としての安定性は欠ける。

自民党関係者は「自公が過半数の支持を失ったので、部分連合などを模索するのは国政を停滞させないためにも当然だ」と理解を示すものの、「今後も自公政権は難しい立ち回りを求められることになる」との見方を示す。

一方、自公が部分連合の相手として秋波を送る国民民主は、ガソリン税を一部軽減する「トリガー条項」の凍結解除や「年収103万円の壁」撤廃などを主張しており、自公との政策協議で俎上(そじょう)に載せる構えだ。だが、これらの政策は財源などを巡って課題もある。

中北氏は「国民民主は自公政権と部分連合を組み、政策実現を図るだろうが、あまりにも過大だと、自公は日本維新の会とも部分連合を組み、バランスをとるのではないか」と指摘した。(大島悠亮)

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