手錠をかけられ出廷した「関西検察のエース」 元検事正・初公判、小声で認めた起訴内容

元大阪地検検事正の北川健太郎被告

「関西検察のエース」と呼ばれた男が刑事裁判の被告人となった。元部下に対する準強制性交罪に問われ、25日に大阪地裁で初公判が開かれた元大阪地検検事正の北川健太郎被告(65)。手錠や腰縄をつけて法廷に姿を見せ、「争うことはしません」と小声で起訴内容を認めた。

北川被告は濃い灰色のスーツに白色シャツ姿でノーネクタイだった。保釈されておらず、手錠と腰縄をつけた状態でまっすぐ前を見て法廷に入ってきた。手錠や腰縄を外されると、弁護側の前に座り、裁判が始まるのを待った。逮捕される前と比べるとやつれた様子だった。

罪状認否では起訴内容を認めた後で、「被害者に深刻な被害を与えたことを深く反省し、謝罪したい。組織に多大な迷惑をかけたこと、世間を騒がせたことを申し訳なく思っています」と述べた。話し終えると、傍聴席から遮蔽され、被害者が座っているとみられる場所に向かって深々と頭を下げた。

裁判が始まる前には、元検事正が性犯罪で起訴される異例の裁判とあって、傍聴券を求めて多くの人が抽選の列に並んだ。

大阪高検刑事部長、神戸地検刑事部長、京都地検特別刑事部長…。北川被告の検事としての経歴はその呼び名通り、関西の主要ポストが並ぶ。石川県出身で、昭和60年に検事に任官。振り出しこそ東京地検だったが、その後は西日本を中心にキャリアを重ねた。

平成13年4月に高知地検次席検事に着任して間もなく、同県の元副知事らを背任罪で起訴しており、当時を知る関係者は「知能犯の立件にも積極的で、頭の回転が速かった」と振り返る。

別の関係者は「慣例にとらわれず、自身の判断で捜査や組織改革を進めた」と手腕を評価。順調に出世する一方、気さくな人柄から「健ちゃん」と呼ばれていたという。

ただ、今回起訴されたのは、大阪地検の検事正在任中に公務員用の宿舎で当時の部下に性的暴行を加えたとの内容で、「組織のトップの行動としてありえない」との批判があがる。

北川被告は事件後の令和元年11月、定年まで3年ほどを残して退職。関西各地の検察庁を束ねる大阪高検のトップ「検事長」の有力候補と目されていただけに、退職時期をいぶかしむ声もあった。

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