通報者への報復行為を1割超えの企業で確認-。企業の危機管理を支援するエス・ピー・ネットワーク(東京)は3日、内部通報制度の運営状況を尋ねたアンケートで、通報者に対する嫌がらせや報復人事などの不利益行為が確認されたことがある企業は13・1%に上った発表した。また、パワハラ疑いの通報件数が全体の51%以上を占めた企業は3割超となった。
調査は3年ごとに実施。同社の顧客企業や国内の売り上げ上位企業1千社などのうち、回答があった365社を対象とし、7月19日~8月18日に行われた。
アンケートによると、年間の通報件数は従業員100人当たり約0・54件で、令和3年の前回調査(約1・3件)から減少した。
通報者に対する不利益行為は、回答した287社の13・1%で確認されたことが「ある」と答えた。具体的には通報者を捜し出した上で、嫌がらせ▽報復的な人事異動▽通報者名を会社が公表▽誹謗(ひぼう)・中傷-が行われたとしている。
調査会社は「通報者への不利益行為は法令違反であり、労働者が通報を躊躇(ちゅうちょ)すればリスク情報を早期収集できず、企業の自浄作用が損なわれる」と改善を求めた。
また、パワハラ疑いの通報件数が全体の51%以上を占めた企業は、回答した208社のうち32・6%に上った。そのうち約半数の企業については、実際に通報内容が調査によってパワハラ認定されたのは10%以下にとどまった。
ただ、内部通報担当者からは、通報者が優位に立てるように言葉やシーンを切り取って通報するケースの急増や、パワハラ〝未満〟の行為で通報してくるケースの増加を指摘する声が上がっているという。
会社の対応結果に納得がいかない通報者の対応に苦慮したことがあると答えた企業は37・6%に達し、具体的には調査のやり直しを求めたり、しつこく通報を続けたりするほか、調査内容をSNSに暴露するといったものもあるという。




