雄のメダカは、雌のメダカを見つけると、繁殖のために求愛行動を始めるのが普通だ。だが、ゲノム(全遺伝情報)編集を行って体内のある物質を作れないようにすると、態度がガラリと変化。雌メダカに対して攻撃を加えたり、他の雄メダカに求愛をしたりなど、行動の判断が全く変わることを、東京大の研究チームが発見した。魚の繁殖行動への理解が進むと同時に、攻撃性の制御や求愛行動の促進により、効率的な魚養殖の実現にもつながる可能性があるという。
判断のメカニズム解明へ
メダカの雄は通常、他の雄を見つけると、追いかけ回して激しく体をぶつけるなどして攻撃し、自分の近くから追い払う。一方、雌を見つけると、前に出てくるりと円を描く、いわゆる「求愛ダンス」を披露し、自分の存在をアピールする。求愛行動が気に入り、雄を受け入れる気になった雌は、動きを止めOKのサインを出す。雄は雌に寄り添って体を小刻みに震わせ、産卵を促す交接行動を始め、雌が生んだ卵に精子をかけて受精させる。
これらの雄の行動は、これまでの研究により、男性ホルモンという物質が促進しているとされてきた。男性ホルモンは、雌より背びれや尻びれが長い「雄らしい体格」の形成に関与。そのほか、雌より行動が活発になるなどの働きがあるといわれる。ただ、行動の判断への影響は、詳しいことが分かっていなかった。
