参院自民、新たな秩序めぐり暗闘 安倍派の存在感低下 主要3派の構図崩れる

参院自民党の構図に変化が起きている。これまでは安倍派(清和政策研究会)など「主要3派」が人事や意思決定をリードしてきたが、派閥パーティー収入不記載事件により、その枠組みが派閥もろとも崩壊。中でも主導的な立場にあった安倍派議員は主要ポジションから外されるなど存在感を大きく低下させており、新たな参院の秩序をめぐる暗闘が始まっている。

衆院と一線を画す参院自民では安倍派、茂木派(平成研究会)、岸田派(宏池会)の主要3派が合議で運営する体制が定着。歴代首相も参院独自の秩序を重んじ、その意向に配慮してきた。

近年では安倍派が影響力を強めていた。令和元年、茂木派(当時は竹下派)の実力者として参院を取り仕切った故吉田博美元参院幹事長の政界引退を受け、安倍派の世耕弘成氏(4月に離党)が参院幹事長に就任。以降は安倍派が参院国会対策委員長などの重要ポストを占め、存在感を示してきた。

だが、一連の不記載事件で事態は一変した。世耕氏は昨年12月に参院幹事長を辞任し、後任には岸田派の松山政司氏(派閥退会)が就任。参院国対委員長には茂木派の石井準一氏(同)が就いた。国会運営を円滑に進めるため、委員会の委員長ポストから安倍派議員の多くが外れた。

17日には参院政治倫理審査会(野村哲郎会長)が、不記載事件について弁明していない安倍派議員ら29人に対し、参院政倫審規程17条に基づく出席を求めると全会一致で議決した。岸田文雄首相が成立に強い意欲を持つ政治資金規正法改正に向け、自民が野党に譲歩した形だ。

一方、野党の意見を丸のみするかのような対応に安倍派内では不満がくすぶる。政倫審は野村会長以下、議事運営を担う幹事ポストも茂木派が独占しており、安倍派重鎮は「わが派に恨みを持っているのではないか」といぶかる。参院自民関係者は「わが世の春を謳歌(おうか)した安倍派を徹底的にたたきたい議員もいるのだろう」と語る。

ただ、主要3派はすでに派閥の解散を決め、主な執行部は派閥を退会した。派閥が中心だった参院自民内のパワーバランスの行方は見通せない状況だが、主導権を巡る思惑の交錯は続きそうだ。(永井大輔)

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