還暦を迎え、六十干支が一周すると、なんとなく人生が俯瞰(ふかん)で見えてくる。
3歳児の息子は、カタコト言葉がいつしか会話となり、何を話しかけても「違う」「そうじゃない」と、いっぱしの口ごたえをするようになった。「いま彼は長い人生で、もっとも無敵な瞬間を過ごしているのではないか」と思うことがある。
息子の変化をつぶさに感じ取れるのは、0歳から育児に参加できていたからだ。ある日曜日の午後。電車のおもちゃで遊んでいる最中に、顔をしかめて「ムズムズする」と息子。あわてて手を引き、一緒にトイレに駆け込んだ。
