「原作者は堂々と発言を」 死去の「セクシー田中さん」芦原さんを「のだめ」作者らが追悼

日本テレビの外観
日本テレビの外観

日本テレビ系列で昨年放送されたドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さんが死去したことを受け、同様に自作が映像化された経験を持つ漫画家たちがSNSで相次いで追悼の言葉を寄せている。ドラマの脚本を巡り悩みを吐露していた芦原さんに思いを寄せる一方、関係者からは映像作品に原作者の意向を反映させることの難しさを指摘する声もある。

作品を一番大事に

ドラマや映画化、アニメ化もされた「のだめカンタービレ」の原作者で漫画家の二ノ宮知子さんは、芦原さんの死去が判明した29日、自身のX(旧ツイッター)を更新。芦原さんの名前は出さなかったが、「自分の作品を一番大事に思っているのは自分なんだと号泣した日の事を思い出して、また涙が止まらない」「今、誰かを責めようとしている人たち。もう本当にやめて欲しい」などと投稿した。

実写映画やテレビアニメになった「ちはやふる」の末次由紀さんも、Xに「悔やまれてならない。ショックが大きすぎる。どれほどお辛かっただろう。でもその痛みを想像することが、他の誰かを追い詰めることになってはならない」などと、芦原さんとともにドラマ制作サイドにも思いを寄せた。

また、アニメ化された「はじめの一歩」の著者の森川ジョージさんは、Xで「原作者が何か物申すと『権力者が強権を発動した』と煙たがられることが多いです。それはほとんどが作品とファンを守るためなのに多勢に無勢の戦いになります」と指摘。「権利を行使した直後に孤独になり、挙げ句『自分はワガママではないか』と自分を責めたりします。原作者は堂々と自信を持って発言して下さい」と続けた。

「脚本チェックは数日前」も

芦原さんのXへの投稿によると、日本テレビ側とは原作にできるだけ忠実にドラマ化することで合意していたが、制作の過程で改変されることが多く、ドラマ終盤の9話、10話の脚本は自ら手掛けたという。

一方で、ドラマ制作の現場ではコストや時間的制約から、原作者の意向が十二分に反映されないことも少なくないという。

自身が手掛けたノンフィクション小説がテレビドラマ化された出版関係者によると、ドラマの内容についてテレビ局と交わした契約書には「作家、出版社、脚本家の協議の上」の文言があるが、実際には局側から「お任せいただければ」という雰囲気が強いという。

ただ、作家、出版社側からすれば、原作使用料を受け取っている上、「映像化されれば、本の売れ行きに大きくつながる」という意識があるため、まずは無事に映像化が成功するほうに気持ちが傾きがちになる。また、細かい部分で、「どうしても」という場合は修正してもらえることもあるが、実際には脚本が上がって原作者側がチェックできるのは撮影の数日前ということも多く、「大きな変更などは事実上不可能」という。

不安や悩みの主な相談窓口は、こころの健康相談統一ダイヤル(0570・064・556)や、よりそいホットライン(0120・2792・338)など。

漫画家の芦原妃名子さん、栃木県内で死去

「セクシー田中さん」ドラマ脚本巡り苦悩

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