訪日客の不正転売、企業の租税回避地利用…税制改正で「税逃れ」の対応強化へ

政府・与党は令和6年度税制改正で、国際的な税逃れなど不適切事案の対策を強化する方針だ。タックスヘイブン(租税回避地)にある企業が日本国内に置く子会社への課税制度や、訪日外国人による免税品の日本国内での転売防止策を検討する。制度の抜け穴をふさぎ、公平性を確保する。

租税回避地の企業に関する対応は、経済協力開発機構(OECD)加盟国などが2021年10月に合意した措置を踏まえたものだ。法人税率が15%に満たない軽課税国を利用した税逃れ行為に備える。

新たなルールの対象は売上高が7億5千万ユーロ(約1200億円)以上の多国籍企業。親会社の税負担が最低税率の15%になるまで日本の子会社に課税する。

日本政府は令和5年度の税制改正で、日本国内にある企業が租税回避地に子会社を持ち、子会社が15%の税負担を免れている場合、親会社に差額を課税できるようにした。今回の対応と合わせ「各国の法人税引き下げ競争に歯止めをかける」(政府関係者)狙いもある。

一方、訪日客を巡っては、消費税を免除された価格で土産品などを購入し、日本国内で転売して利ざやを稼ぐ行為が指摘されている。日本では訪日客が商品を帰国して利用する場合などに消費税の免税を認めている。

このため政府・与党は訪日客に商品購入時に消費税を払ってもらい、出国時に商品を確認した上で払い戻す措置を導入することを検討している。

今回の改正では他に、海外のゲームアプリ事業者が提供し、日本国内で販売するアプリの消費税について、アプリを配信する米グーグルやアップルといった巨大IT企業から間接的に徴収する方式も導入する方向だ。

海外の事業者は小規模で日本に拠点がないことも多く、利用者がグーグルなどを通じて代金に含めて支払った消費税が未納となるケースも少なくないとみられている。(中村智隆、今仲信博)

1億円以下への減資で「課税逃れ」、対象見直しに経済界反発 調整難航か

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