ニュース裏表

内閣支持率が危険水域 解散どころか政権維持できるのか 平井文夫

岸田首相は「伝家の宝刀」を抜けるのか
岸田首相は「伝家の宝刀」を抜けるのか

FNN(フジニュースネットワーク)と産経新聞が14、15日に行った世論調査で、内閣支持率は9月から3・3ポイント下落して35・6%となり、2年前の政権発足以来、過去最低となった。

だが、35・6%はまだいい方だ。同時期に行った調査では、読売新聞が34%、共同通信も32・3%と過去最低、さらに朝日新聞は29%、毎日新聞は25%で、政権維持の「危険水域」と言われる20%台に入っている。岸田政権大丈夫なのか。

FNN・産経調査では、岸田文雄首相が「物価高対策」や「賃上げ継続」を掲げる経済対策について「期待しない」が62・2%に上った。他社も同様。多分、これが支持率低下の最大要因だ。

岸田首相は先月25日、「物価高に苦しむ国民に、成長の成果である税収増を還元する」と明言した。これを受けて自民党からは、すでに挙げられている法人税減税だけでなく、所得税減税、さらに消費税減税まで求める声が出て、「減税解散」の期待も高まった。

ところが、自民党が17日に出した政府への提言には、低所得世帯への支援や、賃上げに取り組む企業への減税措置の強化は盛り込まれたが、所得税減税には触れられなかった。これでは、「税収増は私たちには還元されない」と思った国民が多かったのではないか。

調査で、「税収増の還元にふさわしい方法」を聞くと、「減税」がトップで52%、2番目は「財政赤字の縮小」が30%で、「給付」は16%だった。

毎日新聞の質問が面白かった。

「岸田内閣が発足してからの2年間で、あなたの暮らし向きはどうなりましたか」というもので、答えは「悪くなった」が60%で、「良くなった」は3%だった。これが国民の本音だろう。

経済学を勉強した人は「物価は上がっているが賃金も上がり始めている。GDPギャップもプラスになったので、もうバラマキはやめて、成長戦略をやるべきだ」と考える。

だが、実質賃金は1年以上マイナスが続いている。普通のサラリーマンにすれば、岸田首相が「税収増は還元する」と言っているのに、実際には低所得者への支援と法人税減税だけなら怒るのは当然かもしれない。これでは、やはり「偽減税」だ。

いずれにしても、この数字ではしばらく解散はできないし、さらに下がれば政権維持さえ困難になる。

調査で一つだけ、岸田政権にとって明るい材料があった。それは読売新聞の「岸田内閣の取り組みで評価するものをいくつでも選べ」という質問に対し、「原発処理水と風評被害対策」という答えが51%でトップだったことだ。「外交と安保」は2番目で43%だった。

国民はちゃんと見ている。岸田首相はあまりブレずに、今後もやるべきことをきちんとやり、国民に真剣に説明するしかないだろう。 (フジテレビ上席解説委員・平井文夫)

平井文夫「ニュース裏表」(zakzak)

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