高みに挑み、文楽を未来へつなぐ 人間国宝に文楽人形遣い・吉田玉男さん

人間国宝に認定されることが決まった文楽人形遣いの吉田玉男さん=大阪市中央区の国立文楽劇場(根本成撮影)

文化審議会が21日、重要無形文化財の保持者(人間国宝)に12人を認定するよう永岡桂子文部科学相に答申した。人間国宝に認定される一人、文楽人形遣いの吉田玉男さん(69)が取材に応じ、喜びを語った。

盟友・桐竹勘十郎さんから「おめでとう」

「まさか(人間国宝の)認定をいただけるとは思ってもいませんでした」と率直な思いを明かす。長くともに切磋琢磨(せっさたくま)してきた人形遣いの盟友、桐竹勘十郎さんに報告すると「おめでとう」という言葉を3回贈られたと明かし、「それが何よりうれしかった」。

立役(たちやく=男役)の第一人者。「仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)」の由良助(ゆらのすけ)、「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」の菅丞相(かんしょうじょう)、「心中天網島(しんじゅうてんのあみじま)」の治兵衛など、当たり役は数多い。どれもが文楽を代表する役どころで、輪郭が大きく品格のある芸は現代文楽の大きな魅力だ。

大阪生まれ。中学生のとき、アルバイトで文楽公演の雑用を手伝ったのをきっかけに、戦後を代表する名人、初代吉田玉男に入門した。その芸を継承しながら立役ひと筋に歩み、師に続いての人間国宝になる。

「文楽は世襲制ではなく、誰もが入って活躍できる世界。若い人にはどんどん来てもらいたいし、今後は後進の指導にもさらに力を入れていきたい」。自身の歩みと重ね、文楽の未来に思いをはせる。

10月に70歳を迎える。「60の芸、70の芸、80の芸というのがある。僕もまだまだこれから」と、はるかな芸の高みを目指し続ける覚悟だ。(亀岡典子)

人間国宝に五街道雲助さんら12人 落語4人目、中村歌六氏も

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