【ソウル=桜井紀雄】韓国政府は、いわゆる徴用工訴訟問題の解決策を近く公式発表する方針を固めたもようだ。中央日報など複数の韓国メディアは4日、6日にも発表する見通しだと報じた。解決策は、訴訟で被告となった日本企業の出資を前提とせず、韓国企業の寄付金を基に韓国政府傘下の財団が賠償を肩代わりすることが柱となる。日韓関係改善を急ぐ尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の意向が反映された。
日本政府は、徴用工問題が1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場を貫いてきたのに対し、韓国では原告側などが日本側の謝罪と被告企業の賠償への参加を強く要求してきた。
韓国の朴振(パク・チン)外相ら政府側は2月28日に原告らと面会した際、「日本企業の自発的参加」を日本に求めているとし、日本からの「おわびを受けるために努力している」と述べたという。
日韓両政府関係者によると、おわびに関し、98年に当時の小渕恵三首相の韓国側への「痛切な反省と心からのおわび」を記した金大中(キム・デジュン)大統領との日韓共同宣言など、過去の宣言や首相談話の継承を日本側が表明する案を検討している。
問題は、日本の被告企業が財団への出資に参加することだ。自発的参加といっても半ば出資を強いることを意味し、日本企業に賠償を命じた判決を実質容認したことになりかねない。このため、日本政府は拒否する立場を示してきた。被告企業の参加が難しい中、韓国政府はまず先に解決策の発表を行い、日本側の「誠意ある呼応」を促そうとの方針に傾いたという。
韓国外務省当局者は「外交当局間の協議が進行中で、協議が終わり次第説明する」としている。中央日報は、早ければ今月中旬にも尹氏が訪日し、首脳会談を行う案も進めていると報じたが、政府間の協議はなお予断を許さない状況だ。




