岸田文雄首相(自民党総裁)は17日、愛知県豊田市のトヨタ自動車の工場を視察した。愛知県はトヨタ系の労働組合が旧民主党勢力の選挙戦を支えてきた「民主王国」。参院選の公示が22日に迫る中、首相は自動車産業の発展と雇用の確保に取り組む姿勢をアピールし、労組票を取り込む狙いもある。
首相はこの日、同社の電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の生産現場を視察した。豊田章男社長は変革期にある自動車産業の現状を説明し、「(自動車業界で働く)550万人の生活がかかっている。今後も業界を応援していただきたい」と求めた。
首相は「550万人の雇用を支えるわが国の基幹産業だ。官民が協力する形で大胆な投資を実現していかなければならない」と応じた。視察後には記者団に、自身や閣僚が自動車産業の経営者と対話する会議を今秋にも設ける方針も明らかにした。