米、喫緊の「対露」で日本に協調求める

【ワシントン=渡辺浩生】バイデン米大統領は岸田文雄首相との会談で、中国が覇権を追求するインド太平洋での平和と安定を維持するため日米同盟の強化を確認し合う。同時に、ロシアによるウクライナ侵攻が現実味を増す中で、「武力による現状変更は認めない」という国際社会の原則を守るべく、対露制裁への参加を含む結束した行動を日本に求める。

米政府高官によれば、会談でバイデン氏は「インド太平洋と世界の平和と安定の礎石」として日米同盟の重要性を強調する。ウクライナへのロシアのさらなる侵略に対する「強く結束した対応」も議論する。

昨夏の米軍撤収に伴うアフガニスタンの混乱で傷ついた米国の指導力が、ウクライナ危機への対処で試されている。この状況を受け、インド太平洋の基軸をなす日米同盟の重要性は増し、バイデン政権の日本への期待は高まっている。

バイデン氏は会談で「共通の脅威に対処するための同盟深化」(政府高官)の道筋を話し合うとされる。中国が軍事的威圧を強める台湾海峡をめぐり、日米同盟の抑止力強化や日本の役割についてとりあげるとみられる。

緊迫するウクライナ情勢についても「世界規模の重大な危機」(ブリンケン米国務長官)との観点から日本と立場のすりあわせを行う。バイデン政権は、ウクライナに侵攻すればロシアに「重大な代償を負わせる」としており、日本に対露制裁への同調を求めるのは確実だ。

日本は、中国による「現状変更」の試みや北朝鮮の核・ミサイル開発を国際秩序に対する脅威と訴え、インド太平洋への関与強化を欧州諸国に呼びかけてきた。

米ランド研究所・上級政治研究員のジェフリー・ホーナン氏は本紙取材に対し、ウクライナ侵攻が強行されれば「日本は自由で開かれたインド太平洋を提唱する国として行動を迫られる」と指摘。「ウクライナはインド太平洋ではないが、国際秩序の重要性を強調してきた日本が何もしなければ、米国と欧州の同盟国は失望するだろう」と話している。

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