若き論客が弁論を競い合う「第38回土光杯全日本青年弁論大会」(主催・フジサンケイグループ)が8日、オンライン形式で開かれた。「国難を乗り越えるために」をテーマに、新型コロナウイルスの感染などに苦しむ日本はどう立ち上がるべきかについて、10人の弁士が熱弁を振るった。
最優秀賞の土光杯は、コロナ禍で若者が失った学びや出会いの機会を補填(ほてん)する必要性を訴えた東京大学の松下天風(てんふう)さん(22)が4年ぶり2度目の受賞となった。「若者の可能性を広げられるサポートこそ日本を国難から救う第一歩だ」と述べた。
昭和を代表する財界人で、「メザシの土光さん」として語り継がれる辣腕(らつわん)経営者、土光敏夫氏の出身地、岡山県にちなんだ「特別賞岡山賞」は、食文化や伝統を守るために求められる日本の水産業の構造改革について論じた松下政経塾の松田彩さん(33)が獲得した。
土光杯、岡山賞以外の入賞者は以下の通り。
【フジテレビ杯】湯村将貴(30)=会社員【ニッポン放送杯】小西沙紀(28)=会社員【産経新聞社杯】三浦太地(たいち)(23)=大和大学
土光杯は、行政改革に大きな足跡を残した故土光敏夫臨時行政調査会長の「行革の実行には若い力が必要」との呼びかけに応じてフジサンケイグループが昭和60年に創設。テーマはその後、拡大され、日本の将来を担う若者の主張の場として毎年開催される。
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ファイナリスト(大会進出者)と演題は以下の通り
上杉一成(山梨県立大学)「Welcome to Japan~あなたの明るい未来が待っています~」
松下天風(東京大学)「失われた『機会』を取り戻そう」
高橋裕希(麗澤大学)「中国の覇権的膨張主義と日本が抱える国難」
竹口佑(会社員)「若者が学ぶべき教育とは」
湯村将貴(会社員)「気候変動に日本人の柔軟性を」
正躰幹人(明治大学)「優先順位」
松田彩(松下政経塾)「水産業の構造改革をしたい」
小西沙紀(会社員)「日本語に隠された力」
三浦太地(大和大学)「動画配信で日本は変わる」
和氣千郷(会社員)「日本を減税大国に」