順大付属病院の整備構想、再始動へ 埼玉

順天堂大医学部付属病院の整備予定地=22日午後、さいたま市(深津響撮影)
順天堂大医学部付属病院の整備予定地=22日午後、さいたま市(深津響撮影)

順天堂大は、さいたま市緑区と同市岩槻区にまたがる浦和美園地区で予定し、着工が延期になっていた医学部付属病院の整備構想をめぐり、新たな計画をまとめて年内に埼玉県へ伝える方針を決めた。関係者が22日、明らかにした。

病院は埼玉高速鉄道浦和美園駅から北に約1キロ離れた約7・7ヘクタールの土地に整備される予定で、このうち県が約3ヘクタール、市が約4・7ヘクタールを確保している。

県は、医師不足解消を目的に大学病院の公募に乗り出し、平成27年に順天堂大を選んだ。この時点の計画では、800床を備え医師250人、看護師900人を擁する病院とし、30年に着工、その約3年後に開院することを目指していた。

しかし、土地整備などに想定以上に時間がかかった上、環境アセスメントが必要なことが判明した。近隣の埼玉スタジアムの混雑時に救急車などの通行が確保できるかといった課題も浮上し、30年に着工と開院を含むスケジュールが「調整中」と変更された。

宙に浮いていた計画を再び動かすため、県は今年2月、大学側に対し、スケジュールを明記した計画を年内に示すよう求めた。関係者によると、大学側はこの求めに応じ、今月20日にさいたま市の清水勇人市長に対し、年内に計画変更の申請書を県に提出すると伝えたという。

順天堂大は整備予定地で市が確保した約4・7ヘクタールについて、県と同様の無償貸与を求めている。市関係者は「具体的な計画が明らかでないので、無償にするかどうか検討する段階ではない」としており、計画の進捗(しんちょく)状況を見守る構えだ。

医療提供体制が脆弱(ぜじゃく)な埼玉県内では、新病院に対する医療関係者らの期待は大きい。新型コロナウイルスの感染拡大長期化を背景に、早期開院を求める声が強まる可能性もある。(中村智隆)

会員限定記事会員サービス詳細