自民党が単独で国会の安定運営に必要な絶対安定多数(261議席)を獲得し、勝利を収めた先の衆院選。自民党の河野太郎前ワクチン担当相が、選挙区での最多得票記録を12年ぶりに塗り替えたことも話題となった。個々の議員にとってみると、得票は自らへの評価、そして期待を込めた「支持率」と言えるだろう。しかし、今回の衆院選では、得票率がわずか10%でも議員となっている候補者もいる。
「日本を前に進めるため、国民に信頼してもらえる政治をつくっていく」。河野氏は当選確実となった10月31日夜、神奈川県平塚市内のホテルで支援者らを前にこう語った。河野氏の神奈川15区での得票数は21万515票で、現行の小選挙区比例代表並立制が平成8年に実施されて以降の最多得票だった。これまでは21年の政権交代選挙で当時民主党代表だった鳩山由紀夫元首相が北海道9区で獲得した20万1461票が最多だったが、約9000票上回った。
10月4日の記者会見で「この岸田にお任せいただけるのか判断いただき、国民の信任を背景に政治を動かしたい」として、衆院解散に踏み切った岸田文雄首相はどうか。首相は広島1区で13万3704票を獲得した。河野氏にははるかに及ばないが、そもそも有権者数が違うので票数で単純に比較はできない。