書評

『ビア・マーグス ビールに魅せられた修道士』ギュンター・テメス著 森本智子、遠山明子訳

『ビア・マーグス ビールに魅せられた修道士』(サウザンブックス社)
『ビア・マーグス ビールに魅せられた修道士』(サウザンブックス社)

中世ドイツのビール造りを描いた歴史小説。物語は、ビール醸造に魅せられた男の波乱に富んだ人生を軸に展開する。貧農の子ニクラスは、うまいビールが修道院で造られていると聞いて修道士になる。故あって修道院を去り、やがて「ビールの魔術師(ビア・マーグス)」と呼ばれるが―。

舞台は商業都市によるハンザ同盟が繁栄した時代。異端審問やペスト惨禍の暗黒面も交え、商人と手工業者が築いた中世自由都市の社会が活写される。著者が醸造家だけに、ホップ以外のハーブを使う古い技術とホップ入りとの戦いも詳述。ビール好きに。

(サウザンブックス社・2640円)

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