4日、国会内で開かれた国政政党「日本維新の会」の定例会議。共同代表の片山虎之助や幹事長の馬場伸幸ら幹部数人を前に、衆院議員の遠藤敬はこう提案した。
「大阪都構想という名前は使わない形で、東京都のバックアップ機能を大阪が担うべきだ。大阪の底上げにつながる成長戦略を考えるべきではないか」
会議で明確な反対意見は出なかった。日本維新の議員は「大阪限定というか、大阪ナイズされた改革から一度離れ、日本全体で共有できる行政改革を提示する必要がある」と語る。
日本維新は大阪に党本部を置く「大阪の政党」のイメージが強く、国政では伸び悩んできた。馬場は昨年11月、次期衆院選の目標として「原則、全都道府県で選挙区に最低1人は候補者を擁立する」と発表。都構想が住民投票で否決された今月1日も「方針に変わりはない」と強がってみせたが、党の母体である地域政党「大阪維新の会」の看板政策が再び否決された打撃は大きく、戦略の見直しは避けられない。
「再挑戦ない」
維新は今後、どこへ向かうのか。代表(大阪市長)の松井一郎は住民投票から一夜明けた2日、市役所で幹部会議に出席し、「大阪市を廃止して特別区に作り替える都構想は終了した」と宣言。代表代行(大阪府知事)の吉村洋文も、否決後の会見で「僕自身が都構想に再挑戦することはない」と述べた。
設立以来、維新のかじ取りを担ってきた屋台骨である松井は、否決を受けて令和5年春の市長任期満了での政界引退を表明。党運営は「吉村世代にバトンタッチする」としており、月内にも代表の座を降りる決意だ。党の「精神的支柱」でもある松井を慕う議員は多く、ある維新市議はツイッターに「代表辞任に絶対反対します。親分がいない維新なんてありえません」と悲痛な思いを吐露した。
局面を打開するために選挙戦を仕掛け、獲得した民意を盾に政策実現を進める突破力と、独特の政治的な勘。松井のこうした能力は、維新が大阪で足場を築き、国政政党に躍進する原動力となってきた。




