経営トップが予想~五輪後の日本経済

日本商工会議所 三村明夫会頭 「政府のGDP見通しは少し高い」

 --具体的な協業は

 「IT技術者やロボット技術は大手に集積している。例えばある大手食品メーカーは、人工知能(AI)を使った低価格で使いやすい食品原料の検査装置をサプライメーカーと共同開発し、自身の生産性向上につなげる好循環を実現している」

 「中小企業には優れた技術とアイデアがあり、大企業の量産化技術と連携できれば、サプライチェーン全体としてよい製品を適正な価格で供給できる。こうした協業事例を集め、大企業に中小企業と新しい価値創造を実現しようと呼びかけたい」

 --後継者不足による廃業を防ぐには

 「経営者の高齢化が進み、事業承継の対応は待ったなしだ。金融機関が融資する際に経営者保証をとる慣行は減らすべきだ。経営者保証をとらない融資はまだ全体の2割にも満たない。各金融機関の取り組みが見える化されることが大事だ。価値ある事業と技術を残すには、家族に引き継ぐだけではなく、企業の合併・買収(M&A)や第三者への事業承継をもっと支援したい」

 「昨年末の与党の税制改正大綱で第三者への承継を促す税制が見送られたことは残念だが、再チャレンジしたい」

 --人手不足など課題は山積している

 「全世代型社会保障検討会議では、パートなどの短時間労働者の厚生年金への適用拡大が議論された。方向性は正しいと思うが、社会保険料の厚生年金適用も半分が中小企業の事業主負担で、最低賃金の引き上げに加え、人材確保に向けた賃金上昇、働き方改革などコストがどんどん積み重なっていることが問題だ」

 「中小企業の付加価値額に占める人件費の割合を示す労働分配率は70%超と大企業の40%台に比べ高い。これに対処するにはどうすればいいか。徹底的な生産性向上や大企業との取引価格の適正化なくしてこれからの時代を生き抜くことはできない」

(経済本部 上原すみ子)

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