はやぶさ2、きょうクレーター作製 初挑戦に世界が注目

 探査機「はやぶさ2」が5日、小惑星「リュウグウ」で人工クレーターの作製に挑む。地下の物質を採取するための世界初の試みだ。鍵を握る地表への弾丸発射は午前11時半過ぎに行う予定で、成否が注目されている。

 相模原市内にある宇宙航空研究開発機構(JAXA)の管制室では4日、クレーター作製の作業開始を決定。約3億1千万キロ離れた探査機に向けて降下開始の信号を送り、午後1時ごろ通常の観測位置の高度約20キロから降下が始まった。

 午後8時前に高度10キロに到達。チームはツイッターに「管制室内には十数名のメンバーがいて、落ち着いた運用が続いています」とつぶやき、作業が順調であることを明らかにした。

 計画では5日午前10時44分に高度約500メートルに達して降下を完了。56分、弾丸を発射するための衝突装置を分離する。分離は11時半ごろまでに確認できる見込みだ。11時36分に装置が爆発し、地表に向けて弾丸を発射。赤道付近の直径400メートルの範囲内に秒速2キロで弾丸を衝突させ、クレーターを作る。

 衝突装置を使ったクレーター作製は世界初で、その成否に世界の科学者の注目が集まっている。米国内で先月開かれた研究会では、弾丸の衝突で岩石の破片がどの程度飛び散るかなどの質問が相次いだという。

 JAXAの吉川真准教授は「初代はやぶさでは考えもしなかった作業。緊張しているが、長い時間をかけて作業してきた。新しい探査の方法を切り開きたい」と話す。

 はやぶさ2は爆発と弾丸発射による装置の破片や岩石の飛散から身を守るため、爆発前にリュウグウの裏側に退避する。装置は分離の40分後にタイマー仕掛けで爆発するため、いったん分離したら停止できない。緊迫するこうした運用方法も前例がない。

 爆発の様子は、退避中に機体から分離するカメラが撮影する。地球に届く画像で岩石が飛び散る様子などが分かれば、ほぼ成功と判断できるという。クレーターや周辺の様子を観測した後、5月下旬にも付近に着地し、露出した地下の物質を採取する。

 装置の分離や爆発する前後の管制室の様子は、動画サイト「ユーチューブ」のJAXAのチャンネルで生中継する。産経ニュースも速報する。午後2時半から関係者が会見し、状況を説明する予定だ。

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