ソウルの大気汚染最悪 PM2・5めぐり中韓が責任のなすり付け合い

 【ソウル=桜井紀雄】韓国の首都圏で14日、微小粒子状物質「PM2・5」による大気汚染が過去最悪水準となり、空は灰色にかすんだ。PM2・5は中国から飛来したとの見方が韓国で強いが、中国政府が「韓国内で排出されたものだ」と反論。韓国側が再反論するという責任のなすり付け合いに発展している。

 ソウルの1日平均のPM2・5濃度は14日、1立方メートル当たり122マイクログラムを観測。注意報の基準となる75マイクログラムを大きく超えて過去最悪となった。13日に続いてPM2・5に関する「首都圏非常低減措置」が発令され、公共工事や公共機関の車両の運行が制限された。

 PM2・5をめぐっては中国生態環境省報道官が昨年末、「韓国の大気汚染と中国のスモッグの関係について共有したい情報がある」と述べ、韓国で根強い中国悪玉説に反論した。一つには、中国では大気汚染が改善したが、ソウルのPM2・5濃度は変化がないか、逆に悪化しているという点。原因の二酸化窒素濃度は北京や大連よりソウルが毎年高いとも指摘した。昨年11月にソウルで深刻な大気汚染が起きたが、中国から大規模な大気の移動はなかったとも主張した。

 これに対し、韓国の趙明来(チョ・ミョンレ)環境相は今月3日、「中国が(自国に)有利に解釈したものだ」と反発。「中国からの飛来の影響が大きい」との見方を示した。担当相が直接反論するのは極めて異例だ。朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長も7日、ラジオ番組で「50~60%は中国の影響だ」との研究機関の分析結果を説明し、「あれこれ論争するのではなく、両国が共に対策を講じるのが重要だ」と強調した。一方で、文在寅(ムン・ジェイン)政権は脱原発を掲げ、火力発電への依存が強まっており、韓国では、文大統領の政策に問題があると指摘する声もある。

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