外交・安保取材の現場から

AIの軍事利用をタブー視するなかれ

 ここで注意が必要なのは、規制すべき対象が、政府専門家会合で議論されている完全自律型兵器「LAWS」なのか、AIを搭載した無人兵器全般なのかだ。

 政府関係者によると、国連の政府専門家会合でも、人間が関与しないLAWSは使用されるべきでないとの一定の合意ができつつあるという。一方で、AIを使った無人化技術は今後、一層の開発が進むとみられ、これを規制するのは困難との見方もある。

 ハーバード大ケネディ行政大学院の研究機関は2017年7月の報告書で、「AIの軍事利用の拡大は避けられない」との見通しを示しており、将来的には核兵器級の影響力を持ち得るとも指摘している。

 日本国内での規制議論の一部には、対象がLAWSなのか、AIを用いた無人兵器全般なのか、線引きがあいまいなところがあり、ややもすれば「(AI兵器の恐怖の)イメージが先行している」(政府関係者)側面もある。

 今後はAIを搭載したドローンや無人機の投入によって戦闘のあり方が激変すると考えられている。AI兵器の開発で後れをとれば、日本は安全保障上、致命傷を負いかねない。AIの軍事利用のタブーなき議論が求められている。

(政治部 大橋拓史)

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