京都、大阪、兵庫の3府県で起きた連続青酸死事件で、3件の殺人罪と1件の強盗殺人未遂罪に問われた筧(かけひ)千佐子被告(70)の京都地裁(中川綾子裁判長)での裁判員裁判は25日から、第3事件の審理に入る。折り返しを迎えて焦点となっているのは、筧被告の訴訟能力だ。被告人質問では一貫して犯行を認める一方、内容が二転三転する場面もあった。「審理の打ち切りを」と主張する弁護側と「認知症は軽度」とする検察側は真っ向対立している。(宇山友明)
黙秘宣言も…
6月25日に始まった公判。7月10日に初めての被告人質問が行われた。ここで筧被告は「黙秘します」と宣言しながら、直後の検察側の質問には一転して殺害を認めたことから、筧被告の訴訟能力の有無に注目が集まるようになった。
筧被告は夫の勇夫さん=当時(75)=を殺害したとされる事件の審理で、「(前に付き合っていた女性と比べ)何ももらえなかった」と動機を打ち明け、青酸化合物は「カプセルに入れて飲ませた」と供述した。
被告人質問への対応がぶれたことは「答えたくない質問には答えないが、(答えた質問は)そうではなかった」と述べ、一定の理解は可能と思われる説明をしていた。
犯行の手口など具体的な質問に対しては「(調書に)書いているから見て」「前に説明した。認知症だから、いいかげんなことなら言えるけど」と明言を避けた。面倒なだけなのか、本当に思い出せないのか。
同じ殺害動機
2日後に行われた2回目の被告人質問では、前回のやり取りを「どんな答弁をしたか覚えていない」とし、自身の状態は「呼び水をしてくれたら答えられるが、自分では記憶を引き出せない」とした。



