銀幕裏の声

「ジブリにできないことをやる」-アニメ「メアリと魔女の花」 西村義明プロデューサーの決意「ライバルはベイマックス」

「思い出のマーニー」は大ヒットするが…

 ジブリ時代、西村さんはプロデューサーとして米林監督と組み、26年7月に公開された「思い出のマーニー」を手掛けている。同作は大ヒットし、米アカデミー賞長編アニメ映画部門にノミネートされるなど国内外で高く評価された。

 だが、その前年に宮崎監督が長編アニメ製作からの引退を発表。映画公開時、すでにジブリの製作部門の解散は決まっていたのだ。

 映画公開後、プロデューサーとして、全国の宣伝キャンペーンに奔走、ジブリのスタジオに帰ってきた西村さんは愕然(がくぜん)とした。

 すでにお別れ会は終わり、アニメーターたちでひしめいていた部屋の中はがらんどうになっていた。西村さんはがっくりと自分の椅子に腰をおろした。近くで米林監督も自分の椅子に座り、うなだれていたという。

ジブリがないなら自分たちがやる!

 「ジブリが解散し、クリエーターの3分の1は業界を去り引退、3分の1は映画アニメの製作現場に残り、3分の1はテレビアニメの業界へと移りました」と西村さんは厳しい現実を打ち明けた。

 独創的で夢あふれるヒット作を次々と繰り出し、世界中に新作を待ち望むファンを持つジブリの現状はあまりにも悲しく切ない。

 「もうジブリの作品は作ることはできない。それなら自分たちでアニメを作るしかない…」

 アニメ映画を製作したくて、横浜国立大学を中退、米国に留学した西村さんは、米アニメスタジオの大手、ピクサーかドリームワークス、日本のジブリで仕事がしたいと考えていた。そして14年、憧れのジブリに入社する。面接したのは宮崎監督の盟友、鈴木敏夫プロデューサーだった。

 西村さんはプロデューサーの大先輩、鈴木さんの下で鍛えられ、頭角を現す。25年に公開された高畑勲監督の「かぐや姫の物語」で初の長編アニメのプロデュースを手掛け、大ヒットさせた。

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