大阪府と大阪市は21日、誘致を目指す2025(平成37)年の国際博覧会(万博)の会場候補地について、大阪湾の人工島・夢洲(同市此花区)に集約することを決めた。周辺の人工島も活用する案も検討していたが、島間の往来は現実的でなく、夢洲だけで万博に必要とされる100ヘクタールの確保ができると判断した。
夢洲は、大阪市が平成44年度をめどに約390ヘクタールを埋め立て中で、140ヘクタールは造成済み。ただ、府市は、夢洲にカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致も目指しているほか、大規模太陽光発電パネルが設置されるなど、すでに活用されているエリアもある。
この日、市役所で開かれた技術検討会では、万博開催までに新たに30ヘクタールの造成が可能とした。また太陽光パネルも移動できるなどとし、万博とIRの二兎を追うのに必要な計約170ヘクタールの造成地は十分に確保できると判断した。
一方、延べ3千万人を目指す入場者の輸送についても検討。延伸を見込む市営地下鉄中央線の増発や、周辺の人工島に設置した駐車場からのシャトルバス運行も可能だとした。松井一郎知事は「万博とIRがやれれば、大阪のにぎわいが実現できる」と語った。