あなたは「探偵事務所」と聞いて、どんな業務を想像するだろうか。代表的なものでは、浮気調査に身辺調査、行方不明人の調査などがあるが、これ以外の業務はあまり思い浮かばないのではないか。探偵事務所の多くは、広告などに「どのような調査でも一度ご相談ください」と明記しているため、現実にはどのような依頼があるのか気になるところだ。そこで、実際に受けた珍しい依頼の裏話や、これから探偵事務所を利用しようと考えている人へのアドバイスをリッツ横浜探偵社の山村佳子さんに伺った。
「自分を尾行してくれ」……依頼者に一体何が?
探偵事務所のメイン業務は「調査」だが、一口に調査と言ってもさまざまなものがある。山村さんはかつて、企業の経営者からこんな変わった調査の依頼を受けたという。
「『自分を3カ月間毎日尾行して欲しい』という依頼がありました。『調査する中で、もし自分を尾行している人物がいたら、その正体を特定し報告してほしい』という内容です。大きな会社の経営者ともなると心配事もつきないのか、ご報告時の安堵の笑顔が印象的でした」(山村さん)
依頼者自身の尾行をさせた上で第三者の存在をあぶり出そうという、まるで映画や小説のような話だが、現実でもこのような依頼があるのだ。
ちなみに探偵が調査対象者を尾行する際は、正体を悟られないよう尾行用のグッズを使うことが多いという。
「尾行用の変装グッズは調査員それぞれが揃えます。ちょび髭シールはさすがに使いませんが、複数のカツラを付け替えながら尾行する調査員はいます」(山村さん)
似合わないカツラは他人から見たら不格好で、少々恥ずかしい思いをするかもしれない。だがこれも依頼人のためなのだ。探偵業も楽ではない。
探偵業務の守備範囲は我々の予想以上
上述のような変わった依頼もある一方、最近増えてきているという「嫌がらせ」についての相談も受けている。
「正体不明の嫌がらせ対策で、相談に来た方がいらっしゃいました。一度警察に相談に行ったものの、相談内容が警察の出る幕ではなく、さらに連日決まった時間の調査を希望するケースだったため、警察から探偵事務所の利用を紹介されたようでした」(山村さん)
山村さんによると、アニメやドラマのように警察と協力して調査するような案件に携わったことは今までないという。だが、警察で扱うことが難しい事案では、このように探偵事務所を利用する方が適している場合もあるそうだ。探偵業務の守備範囲は我々の予想以上に広いのかもしれない。




