直木賞に決まって 東山彰良さん 作者を困惑させる多面的な深度

 そうは言っても、多少なりとも戦争を扱っている本を書いてしまった身としては、まったくだんまりを決めこむのも卑怯(ひきょう)であろう。わたしの戦争観は、すでに作中で主人公が表明してくれている。すなわち、戦争は悪い、完全なる悪だ、このひと言に尽きる。わたしに戦争についての意見を求めるのは、そう、夏についてセミの意見を求めるようなものなのだ。(寄稿)

【プロフィル】東山彰良

 ひがしやま・あきら 昭和43年、台湾生まれ。9歳のとき日本へ移る。西南学院大大学院修了。平成14年、処女小説「タード・オン・ザ・ラン」が「このミステリーがすごい!」大賞の銀賞・読者賞を受賞しデビュー。21年、連作短編小説集「路傍」で大藪春彦賞受賞。福岡県在住。

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