【台北=田中靖人】台湾の馬英九政権が進める高校の学習指導要領の改定をめぐり、「中国色」が濃いとして改定指針に反対する学生らが23日深夜、教育部(文部科学省に相当)の庁舎に侵入し、学生24人を含む33人が拘束された。
台湾では与野党間の歴史認識の違いから、過去の改定でも政治論争が発生。今回の改定は8月から施行される予定で、今月に入り反対を訴える野党支持者らの行動が過熱していた。
報道によると、学生らは、学習指導要領の改定をめぐる23日の座談会に、教育部長(文科相)が出席しなかったことに反発。警察官の警備網を突破して敷地の塀を乗り越え、部長室を一時占拠した。学生らの排除時に現場で取材していた台湾紙、自由時報などの記者3人も一時拘束された。
改定版は、歴史分野で「日本統治」を「日本植民統治」に、「慰安婦」の表現を「強制されて慰安婦にされた」とそれぞれ変更。戦後の中国国民党による台湾統治の始まりを、台湾の「接収」から祖国復帰のニュアンスが強い「光復」に変えている。
また、「中国」の表現をすべて「一つの中国」原則に従って「中国大陸」に変更するなど、中国的な要素が強まり、台湾に関する内容が薄まっている。
改定は文字の誤りの訂正など「微修正」としていたにもかかわらず、「台湾史」では字句の「6割」(聯合報)が変更されたことや、当局が審査過程の議事録公開を一時、拒んだことも反対派の不信感を増幅した。



