【ソウル=名村隆寛】「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産への登録に強く反発する韓国は、関係国などに登録反対を呼びかける一方、登録阻止に向けて日本との直談判に持ち込んだ。
韓国は、登録が見込まれる23件中、長崎県などの7施設に日本の朝鮮半島統治時代、約5万7900人の朝鮮人が動員され、94人が死亡したと主張。「人類の普遍的価値を持つ遺産を保護する世界遺産条約の基本精神に反する」(尹炳世外相)との立場だ。
韓国外務省報道官も7日の定例会見で、「再考を促したにもかかわらず、日本は登録を強行し、政治問題化させた。責任は日本にある」などと述べた。国会の羅卿●(=王へんに援の旧字体のつくり)外交統一委員長は同日までに、世界遺産委員会の各委員国に登録反対を訴える書簡を送った。
韓国側を登録阻止に駆り立てる背景には、歴史認識問題に加え、安倍晋三首相による4月末の米上下両院合同会議での演説がちらつく。韓国は演説に反発し、慰安婦問題などでの謝罪を盛り込むよう米国を舞台に強く働きかけたが、不発に終わった。



