共産議員の「赤旗」勧誘是正へ習志野市委員会で陳情採択 千葉

 共産党議員らが地方自治体の庁舎内で幹部職員らに同党機関紙「しんぶん赤旗」の購読を勧誘している問題で、習志野市の男性が、長年慣例化しているとされる同党市議による勧誘の実態調査や是正を求める陳情を同市議会に提出し、18日の総務常任委員会で賛成多数で採択された。全国の地方自治体では議員が職員の勤務中に勧誘する行為を問題視する動きもあり、30日の全市議による審議の動向に注目が集まる。

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 同様の陳情が常任委員会で採択されるのは県内の議会では珍しい。この問題をめぐっては、自民党が6月、強引な購読勧誘が行われている事例があるとして、各都道府県連に注意喚起と実態把握を求めるよう通達を出している。

 男性は陳情で「共産党の議員・元議員という立場の強い者が相対的に立場の弱い職員に対し、勤務時間中に赤旗の勧誘、集金などを行っている」と指摘。勤務時間中の勧誘、配布、集金の実態▽心理的強制が疑われる事例の有無▽勤務中の購読状況-などについての調査と、結果の公開や早急な是正を求めた。

 共産党の谷岡隆市議は「長年の慣例として勧誘や配達、集金は行っている」とする一方、「『政策研究の資料として購読してほしい』と声をかけるが、職員は断ったりやめたりできる。無理強いはしない」と説明。陳情については「他党の機関紙を挙げず、しんぶん赤旗だけ問題にするのは思想差別だ」と訴える。

 市庁舎管理規則第5条では「庁舎における物品の販売、宣伝勧誘その他これらに類する行為」を禁じ、特に市長が許可した場合は例外としているが、市契約検査課は「慣例の中で書籍販売などの業者も特に許可なく出入りしている。赤旗や他党の政党機関紙の勧誘も同様の扱いになっている」と規則が形骸化していることを認めている。

 ある市幹部は「市議による強制や、業務への支障はないと考えるが、今後は職場入り口に新聞ポストを置くとか、購読料は振り込みにするといった改善が必要かもしれない」と話した。

 この陳情に対する各主要会派の対応はさまざまだ。自民党系の会派「元気な習志野をつくる会」(5人)と「真政会」(5人)は「勤務時間中の勧誘は好ましい状態ではない。慣例も正しいか見直すべきだ」(あるベテラン市議)として採択に賛成の方針。「公明党」(5人)の小川利枝子市議は「市議団だけでは判断できないので上層部と相談する」とした。

 「環境みらい」(4人)は3人が反対に回り、「みんなの党」(3人)も反対に回る。「特定の政党の活動を意図的に制限していると感じる」(環境みらいの央重則市議)などと反対理由を挙げるが、両会派とも「業務中に勧誘、集金などはやるべきではない」と口をそろえる。

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