全聾(ろう)の作曲家として知られていた佐村河内(さむらごうち)守さん(50)の楽曲が別人の作品だった問題で、佐村河内さんの「聴覚障害」に疑義が生じている。聴覚障害で最も重い2級の手帳を所持する佐村河内さんは12日、約3年前から少し回復していたとする衝撃の手記を発表した。そもそも行政側が医師の診断書などの書類審査だけで手帳を交付する仕組みのため、不正を見抜くのは困難との指摘もある。手帳を交付した横浜市は再調査する方針を示したが、真相は解明されるのか。
詐病でも、取得すれば“死ぬまで厚遇”
「3年前くらいから、耳元で、はっきり、ゆっくりしゃべってもらうと、こもってゆがむ感じはありますが言葉が聞き取れる時もあるまでに回復していました」。佐村河内さんは12日発表の手記でこう明かした。
身体障害者手帳は身体障害者福祉法に基づき交付される。申請者は市町村区役所の窓口に医師の診断書などを提出し、都道府県や政令市、中核市が書類審査した上で等級を決める。聴覚障害2級は両耳の全聾で、電車が走るガード下にいても音が聞こえない状態を指す。
こうした聴力の診断は各自治体の指定医が行い、診断書に記載する。日本聴覚医学会評議員を務める土井勝美・近畿大学医学部教授によると、一般的には防音室でヘッドホンをつけて7種類の高さの音を聞いてもらい、聴力レベルを調べる「標準純音聴力検査」を行う。



