北朝鮮による核実験や長距離弾道ミサイル発射、米韓合同軍事演習への反発や挑発に対し、国際社会の懸念が高まるなか、北の脅威の最前線である韓国では、与野党が相変わらず政争に明け暮れ、党内の内紛や分裂を続けている。その一方で、失業率は上がり続け、貧富の格差が拡大するなど、国民生活や経済は泥沼に入りつつある。不満だらけの国民はお上(政府)を信じず、言うことも聞かず。韓国は大丈夫なのか。
足を引っ張り合う
韓国国会で今月、テロ防止法案と北朝鮮人権法案が、国会提出からそれぞれ15年、10年半をかけてようやく可決、成立した。いずれも左派系政党の反発などで長年、棚上げ状態にあった。
法案可決の背景にはテロの脅威が高まる北朝鮮の問題がある。しかし、野党側は最後まで抵抗。2月23日から今月2日まで長時間の演説により議事を妨害する「フィリバスター」で採決を引き延ばした。
日本でかつて野党が行ってひんしゅくを買った「牛歩戦術」のようなもので、夜を徹した演説には計38人が登壇した。最大野党「共に民主党」の議員は12時間半余り演説し、韓国国会の史上最長記録を更新。当然、世論の批判を浴びた。
両法案は、朴槿恵大統領が成立に向けて議会の協力を求めていたものだが、可決したのはほんの一部だ。朴大統領は3年前の就任以降、特に労働改革法やサービス産業発展法といった、経済や民生にかかわる法案の成立を何度も訴えてきた。低迷する経済の改善に必要なのだろう。しかし、こちらは野党の反対に加え、与党セヌリ党の内部の紛争で法案処理が遠のいている。
テレビで見る国会の様子に、「今日もやっとるね」と思う。特に「韓国らしい」と感じるのは、政権に限らず気に入らない相手の足を引っ張ることだ。北朝鮮が挑発を続けるまさにその瞬間も、韓国の政界はポピュリズムや保身にご執心だ。「妨害、人の足を引っ張ることに生きがいを感じているのではないか」とまで錯覚さえする。
「あいつらを、やってしまえ!」 議員先生、今日も抗争
韓国では4月13日に総選挙の投開票が控えている。しかし、選挙区を確定する法案も国会でもつれた末、今月初旬にようやく採決に至った。しかも、選挙まで残り1カ月半を切った時点で。日本ではまず考えられないが、韓国では不思議なことではない。
こうしたなか、与党セヌリ党で最近、親朴大統領派と、次期大統領の座を狙う金武星代表に近い勢力の間で内紛が激化した。現政権で大統領政務特別補佐官を務めた国会議員の尹相現氏が先月末、「金武星をやってしまえ(直訳は殺してしまえ)。あいつらを(セヌリ党の)候補者選びで落としてやる」と電話で話した内容が8日、韓国メディアで報じられ発覚した。



