PR

リニアめぐり「反対」の現職・川勝氏、「対話路線」岩井氏 静岡知事選、臨戦モード

PR

リニア中央新幹線の試験車両「L0系」=山梨県都留市のJR東海山梨リニア実験センター(渡辺浩撮影)
リニア中央新幹線の試験車両「L0系」=山梨県都留市のJR東海山梨リニア実験センター(渡辺浩撮影)

 6月の静岡県知事選(20日投開票)告示まで13日で3週間となった。立憲民主党、国民民主党などの県議で構成する「ふじのくに県民クラブ」が支援し、4選を目指す現職の川勝平太氏(72)に、自民党が推薦を決めた新人で同党参院議員の岩井茂樹氏(52)=静岡選挙区=が挑む対決構図になりそうだ。「静岡の顔」を決める政治決戦。両陣営はようやく臨戦モードとなり、争点の一つであるリニア中央新幹線建設問題をめぐる対応での微妙な違いも鮮明になってきた。

川勝氏、リニア関連取材に異例“謝意”

 「取材してくださってありがとうございます」。川勝氏は12日、知事として県庁で日本山岳会静岡支部の役員と面談した後、退室しようとする報道陣へ、わざわざ声をかけた。

 この日は、リニア工事中止を求める特別決議をまとめていた同支部がその報告で訪問。トンネル工事に伴う大井川の水の流量減少問題を理由に着工に反対する川勝氏にとり、決議は知事選への力強い“援軍”だ。その結束をアピールできたと考えたのか、川勝氏は報道陣へ異例の“謝意”を述べるほど上機嫌だった。

 ただ関係者によると、この日の面談は、特別決議の連絡を受けた県側から「知事に直接伝えてはどうか」と打診したのを受けたものだったという。知事としての公務とはいえ、知事選を目前に控える中では政治利用と受け取られかねない。

 川勝氏は4月の記者会見で選挙活動について、新型コロナウイルス対応が求められているなどとして「公務に専念する」と述べ、街頭などでの活動は最小限にしたい意向だ。陣営の選対本部長、阿部卓也県議も「感染状況を踏まえ街頭演説などは柔軟に対応する。政策を訴える手段としてはSNS(会員制交流サイト)を活用したい」と話す。

 16日に予定される選挙事務所開きでは、多くの支持者を集めず、川勝氏もネットでの遠隔出席で謝意を述べるにとどめるという。

岩井氏は「世代交代」「刷新」訴え

 対する岩井氏陣営は13日、静岡市内で選挙事務所開きを実施した。自民党県議らが駆け付ける中、14日に正式に議員辞職する岩井氏本人は、国会の関係などで欠席。代わって妻の弘美氏が「力を貸してください」と支援を求めた。

 岩井氏はリニア問題について、「対話路線の推進」に軸足を置く。知事選向けのチラシでは、「広く関係者を巻き込んだ議論が必要」「建設的な対話を進める」と強調。川勝氏が国やJR東海と真っ向から対立し、事業自体が停滞しているとの指摘がくすぶる「対決路線」からの転換の意図がうかがえる。

 岩井氏が副大臣を務めていた国土交通省がリニア事業を所管することを踏まえて川勝氏は、「(知事選に岩井氏は)国の顔として出てくる。進める側と止める側だ」と、対抗意識をむき出しにしている。

 これに対し岩井氏は、自身を“抵抗勢力”と位置づけるかのような川勝氏ペースを警戒。対話路線の前提として「県民の命の水を守ることは最優先」と水問題を重視する点は同じだと強調しており、争点化を回避したい思惑も透ける。

 むしろ、全国の知事で8番目に高齢の川勝氏からの「世代交代」や県政刷新を強く訴える構えだ。

この記事を共有する

おすすめ情報